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シス・カンパニー公演 怪談 牡丹燈籠☆8月11日 [舞台全般]

cover.jpg シス・カンパニーHP 怪談 牡丹灯篭 

こんにちは。東京にいます。大阪ほど暑くないですね。^^
静岡、神奈川方面の皆さま、昨日の地震は大丈夫だったでしょうか?
お怪我や被害などございませんように。

そういう私は昨日は伊豆におりました。^^;
もちろん無事というか、大丈夫でしたので、ご安心くださいね。
でも、びっくりというか、
怖かったー!

阪神の時ほどの揺れではないという妙に冷静な判断もありながら、
とはいえ、地震はトラウマでもあるので、なんだか不安というか。。。
午後に東京に出てくるまでは落ち着きませんでした。
ただ、ホテルのスタッフの皆さんがそういう状況にもかかわらず
(お部屋は大丈夫でしたがレストランは食器が割れたりなどかなり大変だと)
ゲストの皆さんへの気遣いを忘れずに一生懸命対応されている姿や、
前日と変わらない笑顔を見ていたら、なんだか泣きそうになってしまったりもしたけど、
皆さまのおかげで、最後の最後まで楽しませてもらいました。
ありがとうございました。
お宿のお話はお家に戻ってから書きますね。

まずは昨夜の「怪談 牡丹灯篭」から。いのうえさんの演出なのです。
踊り子号が動なかったりと東京までの移動が大変ではありましたが、
夕方には東京にたどり着き、お芝居を観ることができました。
初めてのシスカンパニー(たぶん)、初めての怪談ものでしたが、よかったです。
いのうえさんの演出はやっぱり好きだなあ。観てよかった。

蘭ちゃん、秋山さん、梅沢さんの女優さん達、それと、段田さんがいいですねえ。
これが初めての舞台出演となる瑛太さんもよかった。
ネタバレもありますので、これから観られる方はご注意くださいね。


【観劇日】8月11日夜、2階B列センター、シアターコクーン
【作】大西信行、【演出】いのうえひでのり
【キャスト】段田安則(伴蔵)、伊藤蘭(伴蔵の妻・お峰)、秋山菜津子(お国)、
  千葉哲也(源次郎)、柴本幸(お露)、瑛太(萩原新三郎)、梅沢昌代(乳母 お米/お六)、
  大河内浩(飯島平左衛門)、松澤一之(良石和尚、同心)、市川しんぺー、
  西尾まり、保坂エマ、粕谷吉洋、森本健介(三遊亭圓朝、その他)

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段田安則 伊藤蘭 秋山菜津子 千葉哲也 柴本幸 瑛太   梅沢昌代

日本三大怪談話のひとつ「牡丹燈籠」。
明治時代の落語家、初代・三遊亭圓朝の創作落語なんだそうです。
その落語を大西信行さんが文学座・杉村春子さんに請われて、
杉村さんのために書き下ろした新劇の芝居が今回の「怪談牡丹灯篭」。
1974年文学座初演。狂言まわしとして「落語家・圓朝」も登場。

圓朝さんの落語の基になっている中国の明の時代に書かれた
「牡丹灯記」(「剪灯新話」に収蔵)はお露(名前は違うけど)の幽霊物語。
その小説に基づき、更に実話なども取り混ぜたりして、
お露の幽霊物語と孝助による仇討のストーリーが交互に絡み合う、
落語の演目として翻案された怪談で、速記によって書き取りされたそうです。
そんなわけで、落語には飯島家に絡む孝助の仇討ちもでてくるようですが、
今回のお芝居にはその話は全く触れられていません。

有名な怪談とはいえ、私は落語も歌舞伎も他のお芝居でも観たことがなく、
本も読んだことはないので、物語の違和感は特になく観れました。
多少無理がある内容もありはしましたが、よくできたお芝居だなと思います。

ちなみに、日本の幽霊には足がありませんよね?
でも、お露はカランコロンと駒下駄の音を響かせて夜道を歩いて来る。。。
これが怖いわけですが、これは中国的な幽霊の名残りなんだとか。
牡丹は中国の代表的な花でもありますね。

物語は3組の男女を中心に進んでいきます。
浪人・荻原新三郎に恋焦がれた末に命を落とし幽霊となって現れるお露、
貧しいけれど仲睦まじく暮らす、新三郎の下働き伴蔵(ともぞう)とお峰夫婦、
不義の関係にありながらも壮絶に男を愛するお国と源次郎。
どれもが悲惨な運命をたどるのですが、ただ、女達には覚悟と強さを感じる。
ことの善悪は別にして、愛すること、生きていくことへの覚悟と潔さ。
それに比べて、男達はみな弱く、人生に翻弄されやすい。

伊藤蘭さんを舞台で観るのは初めてです。
TVではもちろん何度も拝見していて、いい女優さんになったなあ、
などとえらそうなことを思ってましたが、舞台でも素敵でした。
役者さんとしての華もあると思うし、台詞も聞きやすく、
笑いも怒りも切ない思いもしっかりと演じられていて自然。
ある意味、亭主をそそのかしてお金持ちになる役なんですが、
なぜだか憎めない。信じている伴蔵に殺されるシーンは壮絶で、
観ているこちらまで胸が苦しくなります。

その亭主の伴蔵役が段田さん。
味のあるいい役者さんですよね。大好きです。
今回もよかった。

お国役の秋山さんは相変わらず艶っぽい。声がいいんですよねえ。
立ち姿もきれいで、女性ながら憧れてしまいます。
お国は自分の恋のために殺人まで犯すし、水商売にまで身を落としますが、
ひたすら情人の源次郎をを思う気持ちはとても健気で純粋。
最後に捕まった時も他の殺人は認めても、源次郎を殺したのだけは違う、
そう言い張る。本当に愛していたんだなあと。

乳母役の梅沢昌代さんもよかった。一途にお嬢様のことを思う乳母。
お嬢様のためにと伴蔵に詰め寄るところは迫力というか、凄みを感じる。
お峰の友達役もされていて、器用だなあと。

お露も乳母のお米も幽霊なんだけど、
他の怪談とは違い恨みつらみなどはなく、ひたすら愛しい人を思う。

瑛太さんは立ち居振る舞いがよく、よく通る声で、
可愛らしいというとなんですが、ひたむきな若者役がお似合いでした。

ラスト。伴蔵とお国が囚われの身となったシーンで、
新三郎とお露、お米の3人が楽しそうにお喋りしながら歩いていく姿が印象深い。
現世ではなく、あの世なのかもしれないけど、この3人は幸せなんだなと。
新三郎が死にゆくのは伴蔵夫婦のせいなんでしょうけど、
自分の意思や心の弱さによるところも大きいんではないかと私は思ったり。
もちろん、死ぬことは決して認められることではないですが、
それでも最後の場面での3人はとても微笑ましく、私を和ませてくれる。

観終わった後、なんだか憑き物が取れたみたいに昨夜はよく眠れました。
いいお芝居は体にもいいね。東京は関西よりも涼しく、
今日はバテることもなく食欲も旺盛。太るのだけが心配です。

さて、今夜はもう少し飲もうと思います。
幸せのお酒。なんたって、アンソニーとアダムに会えたんだもの!
今夜のレントはサイコーでした。そんなお話はまた後日。

皆さまもよい夢を。お休みなさい。


タグ:舞台
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もも

関東ではひさしぶりの強い揺れでした。先ほども少し揺れました。
地震は怖いですね!我が家は12階なので、ゆーらゆーらと揺れます。

牡丹灯篭、私は19日に観ます。いのうえさんの演出も観たい理由の一つですけど、初舞台の瑛太さんに興味があったので、、、、
良さそうですね!楽しみです。
RENTは、26日に観ます。こちらも、とても楽しみです。
by もも (2009-08-13 08:12) 

kanon

おはようございます。nice!をありがとうございます♪
by kanon (2009-08-14 10:21) 

kanon

ももさん、おはようございます。
昨日の朝も揺れましたね。東京だったので少し揺れた程度でしたが。
ゆーらゆーらと揺れるのも恐いですよね。

瑛太さんは初めての舞台ということですが、2階席でも声が聞き取りやすく、
和服の立ち姿もお似合いでよかったと思います。

RENTはオリジナル・キャストがそこにいるというだけでもう感動で!
その上、ともかく素晴らしかったです。また観に行く予定です。
by kanon (2009-08-14 10:22) 

くりっぴ

へえ・・中国から?おもしろいですねえ。
おっどろきだわ。
舞台、お好きですね。(*^_^*)
by くりっぴ (2009-08-17 00:01) 

kanon

くりちゃん、ありがとさんです。
そうなの。舞台は大好きなのです。嫌なことも吹っ飛ぶのだー!
有名な怪談ですが、私も基の話が中国だと知らなかったの。
足がある幽霊、というのもいいよね。

by kanon (2009-08-17 01:43) 

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