モーツァルト!☆大阪 [モーツァルト!]
彼はそこからやってきた
星のように地球に落ちてきた
神が遣わした子、
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト!
皆さま、こんにちは。今日は風が強いですね。
昨日は穏やかなお天気だと思ってたんですが、夕方には少し雪が舞ってた。
そんな中、夜は「ろくでなし啄木」観てきました。
私はよかったんですが、ダーリンとは少し意見が異なり。。。
まだ観に行く予定なので、感想はまとめて。
大阪公演も始まったばかりだし、また東京にも戻るようなので観てない方は是非。
本当は東京の最後辺りを見たいんですよねえ。私としては。(無理ですけど)
その前に、まずは『モーツァルト!』の感想から。
私は大阪公演はリピータ・チケットを追加したりして、結局5回観ました。
井上くんが4回、山崎くんが1回です。
そういえば、今頃は金沢で大千秋楽ですね。
雪で足元が大変だと思うけど、皆さん楽しんでくださいねー!
観劇日: 1月9日夜、1階23列上手、1月13日夜、1階15列センター
(井上芳雄/香寿たつき/坂口湧久)
1月15日夜、1階10列下手(山崎育三郎/香寿たつき/坂口湧久)
1月22日夜、1階10列上手、1月24日昼、1階19列下手
(井上芳雄/涼風真世/黒木璃七)
脚本・歌詞: ミヒャエル・クンツェ 音楽: シルヴェスター・リーヴァイ 演出・訳詩:小池修一郎
キャスト : ヴォルフガング・モーツァルト(井上芳雄/山崎育三郎)、
アマデ(坂口湧久/黒木璃七)、ヴァルトシュテッテン男爵夫人(香寿たつき/涼風真世)、
レオポルド(市村正親)、コロレド大司教(山口祐一郎)、コンスタンツェ(島袋寛子)、
ナンネール(高橋由美子)、シカネーダー(吉野圭吾)、セシリア・ウェーバー(阿知波悟美)、
アルコ伯爵(武岡淳一)、その他
400回記念の記事でも書いたとおり、大阪公演の井上くんはよくなってた。
それは山崎さんも同じで、帝劇で観た時よりは安定していたと思うし、
のびのびした感じもあったんですが、歌も踊りも際立ったものが感じられず。
また観たい!と思わせる何かを感じることはできなかった。
私達の好みではなかった、ということも大きいとは思います。
ヴァルトシュテッテン男爵夫人はやっぱり香寿さんが好きです。
ただ、涼風さんも以前よりもよくなってて、嬉しい驚き。
涼風さんの台詞の言い回しは相変わらず苦手なのですが、
星金の歌い方を工夫されていて、歌にストーリー性を持たせていました。
王様の歌詞の時は男性のように少し声を変えて歌う。
もともと男役をされたいた方ですから、そちらの声の方が自然で好きです。
二幕の星金も声が抑えめの少し低音で、初めて心に響いてきました。
特に、1月22日の夜の二幕の星金はよかった。
涼風さんは舞踏会のシーンでもいろいろとお遊び的なことをされていて、
香寿さんはどうだったかなと思ったんですが、覚えておらず。。。
あちこち観るポイントが多くて大変ですわ。それが楽しくもあるんですが。
親子決裂のシーンの時に男爵夫人が立ち去る時の表情もお二人では違う。
それぞれ個性のある男爵夫人で、今回は両方観れてよかったなと。
アマデも3人とも観ることができました。
いつもアマデが楽しみな私達。どのアマデも頑張ってますよね。
大阪で初めて観たのが黒木アマデ。よかったんですけど、
ダーリンが人間っぽいアマデ、と言ってましたが気持ちはわかる。
私達の好みで言うと、坂口アマデが好きですね。
大阪で久々に観た時、帝劇の時よりもしっかりとした印象があって、
そこはちょっと残念でもありましたが。(笑)
大きな動きはなく冷たさを感じるくらい凛とした印象のアマデなのですが、
表情はとても豊かなの。パパとの決裂のシーンの時など、
ヴォルフガングの気持ちがそのまま顔に出ている気がしました。
大阪では亜美ちゃんを観ることができなくて、そこはちょっと残念。
もう一度観てみたかったな。
今回から演出が変わっていたナンネール。
帝劇で観た時は星金の辺りから違和感を感じていたものの、
ヴォルフやアマデに注目していることが多いのでよくわかってなくて
大阪では意識して観ていたら、かなり変わってますね。
正直なところ、私は以前の甘々過ぎるくらい優しいお姉さんのナンネの方が好き。
特に、あっきーヴォルフにはそちらの方が合っていたと思う。
でも、今回のナンネールの方が人間らしい。
ただ優しくて、弟と弟の才能を愛して擁護するだけの姉ではなく、
その才能を時には嫉妬を感じるほど羨望していたり、
女性としてもいろんな複雑な思いを抱えていたことでしょう。
ラストに喪服のままで登場するナンネール。
遠くをじっと見詰める目には何も映っていない気がしました。
井上くんは歌に関して言えば、あっきーの時のように突き抜けものがなく、
全体的にも舞台に心を奪われる、というところまでいくことはなかった。
二幕『影を逃れて』のラストでのオクターブ上げを私が聞いたのは大阪の初回のみで、
後はなし。『なぜ愛せないの』も最後まで気持ちよく伸びることはなかった。
でも、この歌は後半の方がよくなってました。ともかく気持ちが入っているしね。
『僕こそ音楽』も最後の日はうるうるしてしまった。井上くんの気持ちが溢れてた。
それと、一幕の『影を逃れて』には毎回迫力を感じていました。
山崎さんの歌声はアンサンブルさんに混じってしまいそうになるんだけど、
井上くんは違う。はっきりと彼の歌声と想いが伝わってくる。
井上ヴォルフは"天才"には見えない。
ちょっとした動作も踊りもとてもきれいだけど、ある意味、真面目でそつがないというか、
自由奔放さを感じない。才能ある、でも、普通の青年、そんな印象。
それが天才を演じる彼に対してこれまで感じていた私達の違和感でした。
でも、今回はちょっと違ってた。(実際には2007年から?のようですが)
今回の井上ヴォルフは天才モーツァルト、
その天才としての存在そのものを演じようとしているのではなく、
あくまでも"音楽の才能=アマデ"であって、井上くん自身は人間の部分を演じる。
とはいえ、アマデ自身もヴォルフガングの一部ではあるわけだけど、
舞台の上ではっきりと棲み分けるようにしたのね。(たぶん)
実際に舞台ではアマデが才能の象徴として存在しているわけだから、
そういう演じ方でいいわけで、そこに迷いがなくなった気がする。
そして、そのせいか、かえってその行動は自由になった。
『愛していれば分かり合える』の途中、アマデに楽譜を放り投げるシーン。
私が観た時がたまたまかもしれないけど、
これまでは井上くんはアマデが取りやすいように楽譜をまとめて落としていた。
それが、この大阪公演では違ってた。楽譜は無造作に放られピアノの下へ。
アマデがばら撒かれた楽譜を一生懸命に拾い集める。ちょっとしたことなんだけどね。
(というか、このシーンに注目している人がとれだけいるのか笑)
でも、このシーンに限らず、大阪では井上くんは観るたびにワイルドで
自由な感じになっていった気がします。歌も演技も。そこがよかった
公演前のインタビューで、オファーがあればモーツァルトの享年まではやりたい、
と言っていた井上くん。これからも楽しみです。
ちなみに、今回の舞台そのものの感想というのとは違うんですが、
ちょうどこの頃に読んでいた本(『ハナシにならん!』落語のお話です)の中に、
大きい音を出す前にはやり過ぎかなと思うくらい音を殺しておく、
という音のメリハリに関する話が出てくるんですが、妙に納得してしまった。
山口さんの♪音楽の、魔術~♪とかもまさにそうですよね。
そして、あっきーヴォルフもそうだった。意識してというよりは感情のまま自然に。
一幕後半、大司教と決裂した際の♪いーや、始まりだ・・・♪
と歌いだす時の間の取り方や抑えた声、その後の『影を逃れて』の歌い始め。
今更ながら好きだったなあと
今回のモーツァルト!は最初から最後まで複雑な思いを抱えたままでした。
できることなら、もう一度、あっきーヴォルフ(それも2005年)が観たい。
(2007年の前半のような状態だったら、それはそれで辛いけど)
秋に帝劇で観た時とはまた違って、大阪では井上くんが素晴らしかったからこそ、
あっきーヴォルフが観たいという思いが更に募った気がします。
モーツァルト!を初めて観た時から回数こそ違うとはいえ、
どちらのヴォルフも観てきた。際立った個性を持つ二人がWキャストで演じる。
そこにも大きな魅力があったから。
もちろん、それだけでなく、他のキャストの皆さんはもちろん、
アンサンブルさん達もとても素晴らしい。今回も本当によかったです。
特に、『モーツァルト!モーツァルト!』は好きですねえ。
この歌の演出も好き。ぞくっとするものがあるんですよね。
フィナーレを全員で歌うというのも大好きです。
やっぱり私はこの作品はとても好きだから、これからも観続けると思う。
私の大好きなヴォルフやアマデ、皆さんにに出会えることを祈って。
皆さま、本当にお疲れさまでした。
またどこかの舞台でお会いできることを楽しみにしています。
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