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佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2013 セビリャの理髪師☆7月14日、21日 [舞台全般]

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毎年恒例、兵庫県立芸術文化センターの佐渡さんプロデュースの夏のオペラ。
この時期はいつも夏バテで感想をあまり書いてなかったような・・・? 
今年はもうちょっと書いてみよー♪(と言いつつ、主に写真ですが、汗)

なんたって、今年は頑張ったのよ[手(チョキ)]

夏の公演を目指して、5月、6月とワンコイン・プレ・レクチャーに通い、
7月にはオペラ創造ワークショップ&バックステージツアー「セビリャの理髪師」の制作アトリエ、
に参加。プレ・レクチャーはワンコインとあるとおりに500円。
ワークショップ&バックステージツアーは往復葉書での申し込み(多数の場合は抽選)ですが無料。
他にもゲネプロ見学もあります。こちらは残念ながら参加できませんでしたが、
毎年そういう催しを主催して本番の時に少しでも楽しんでもらおう♪
という気持ちが嬉しいですよね。

そんなわけで、今年はできるだけ参加しよう♪と年初から誓っていたのでございます。
(大袈裟!でも、それだけ楽しみにしていたのですよ)

本公演はもちろん楽しかったのですが、ワークショップ&バックステージツアーがよかった[ぴかぴか(新しい)]
これのおかげで本公演がより楽しめたと思う。

 
   佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2013 公式HP 
 ロッシーニ:歌劇 「セビリャの理髪師」 (全2幕/日本語上演・字幕付き/新制作)

   青年貴族のアルマヴィーヴァ伯爵とチャーミングな箱入り娘ロジーナの恋を、
   町の人気者フィガロが持ち前の機転と行動力で手助けする、軽快で楽しいラブ・コメディ♪

【観劇日】7月14日、1階C列下手 7月21日、1階E列センター
    兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
7月14日    7月21日 
アルマヴィーヴァ伯爵   鈴木准 中井亮一
バルトロ 久保和範 町 英和
ロジーナ 林美智子 森 麻季
フィガロ 髙田智宏 大山大輔
バジリオ ジョン・ハオ 森 雅史
フィオレッロ/アンブロージョ 晴 雅彦 北川辰彦
ベルタ 谷口睦美 坂本 朱
隊長 清水徹太郎(全日)

【指揮】佐渡 裕
【演出】飯塚励生 【装置】イタロ・グラッシ
【衣装】スティーヴ・アルメリーギ 【照明】マルコ・フィリベック
【日本語訳詞/チェンバロ】森島英子
【プロデュサー】小栗哲家

【合唱】ひょうごプロデュースオペラ合唱団
【管弦楽】兵庫芸術文化センター管弦楽団

ワークショップ&バックステージツアーは公演初日の前日。
本来はキャスト、スタッフ全員お休みなんだそうですが、大道具さんや小道具さん、
衣装さん、照明さんなどの裏方演出チームの皆さんは出勤。

もちろん、佐渡さんや小栗さん(小栗旬パパです)、演出家、装置、衣装、照明担当の方も!
そうそうたるメンバーが舞台に出て来られて、演出や装置、衣装、照明のことを説明してくれます。
これがとってもおもしろかった[ぴかぴか(新しい)]

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演出や装置の今回の演目をやる上での発想のお話もとても興味深く、
本公演とも直結していて本番がより楽しめたんですが、
何よりも私にとっては大好きな照明のお話が聞けたのが嬉しかった。
ここのオペラの照明は毎年とてもきれいで大好きなんですよね。

照明によって変わる舞台の印象。
例えば、「セビリャの理髪師」は夜明け前から夜遅くまでのある一日のお芝居なんですが、
そういった刻々と変わりゆく時も照明で表す。
もちろん、そういった手法は他の舞台でもあるわけですが、
それを実際に解説してもらうというのは初めてで、わくわくしちゃいました。
照明のマルコ氏は通常はあまり色を使わないらしいんですが、
今回は装置がおもちゃのイメージだったりするので、色を使うようにしたそうです。

そして、佐渡さんのお話は相変わらず楽しい[ぴかぴか(新しい)]
大野さんもそうですが、指揮者の方は饒舌な方が多いのかな?
伝えたい思いが溢れてくる、そんな感じ。

今回はスコア係の女性(お名前を控えてなくて、すみません)を紹介されていました。
これがまた可愛いらしい方なのですが、彼女が全てのスコアを管理されているそうです。
例えば、古くからあるスコアでも間違ってることはよくあるそうで、そういったチェックや、
譜面をめくった直後に演奏しないといけない場合は前のページに書き込みしたりとか、
聞けば聞くほど緻密で神経を使う過酷な作業なのですよ。
佐渡さん曰く、ホールの質はスコア係にかかっているんだとか。
そんなわけで、芸文を立ち上げる時に佐渡さん自ら彼女を引き抜いてこられたそうです。
特に今回は本来はメゾソプラノのロジーナ役をメゾとソプラノとのダブルキャストで演じるため、
それぞれのキーに合わせたスコアを用意しないといけなかったようです。
もちろん、演奏する方達も大変で、練習し始めの頃は間違えたりもしたそうです。
そんなおよそ100名の演奏者のスコアを全て彼女が管理。内容はもちろん、差し替えまで。
99名が正しくても1名違っていたらオケはそれでお終いだから、とご本人も仰ってましたが、
相当なプレッシャーだと思います。本当にお疲れさまでした。

彼女だけでなく、裏方の皆さまは本当に大変だと思います。
普段は表舞台に立つこともないし。でも、大勢のスタッフでひとつの作品を作り上げていく、
しかも、素晴らしい仲間で♪というのは楽しいだろうなあと思った。

そんな空気が皆さまから漂っていたからですね。^^ 

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ワークショップの後はバックステージツアーへ。
ロンドンでのバックステージツアーのように解説付きでみんなで順番にぞろぞろ・・・
かと思ったら、全然違ってて各自自由に舞台裏や舞台の上を見れるのです。
スタッフがあちこちにいて、小栗さん曰く、みんな詳しいから聞きたいことがあれば聞いてくださいね、
と。写真撮影も可。もちろん、楽屋はダメとか、入れる場所は決まってはいますが、
本番前日の舞台にみんなで上がれるなんて。びっくり[exclamation]

芸文、てか、佐渡さん以下スタッフの皆さま、太っ腹ですなあ(意味不明?笑)

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佐渡さんの楽屋のドア。 

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こちらの前に衣装担当のスティーヴがずっと立ってくれてて、にこにこと質問に応えてくれます。
ロジーナとか、メインの役者さんの衣装はかなり高価なものだそうで、嬉しそうに説明してくれました。
ちなみに、フィガロ以外は衣装は共通で、毎回、その日のキャストに合わせて調整するようです。
(フィガロ役の方はどちらか、あるいは両方?が汗かきとのことで二着準備)

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道化的なプルチネッラ(合唱など担当)を模した衣装はタオル地のもの。
遠くからだとわからないですよね。(たぶん)

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奥の木の壁は遮音板?(違うかも、汗)クラッシックの時などにはこの壁が前に出てきたりするそうです。
その場合はこの板より奥だと音が客席には聞こえないので、その裏で練習したりされるとか。 

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背景となる様々な色の布のカーテン。
この当時の貧しい方達がつぎはぎの服を着ていたのを表しているそうです。 

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オケピの中も舞台装置に合わせてなのか?いつもなのか?ともかく可愛い。 

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今回、夏のオペラでは初めて使うというチェンパロ。
このチェンバロ奏者の森島英子さんが今回の日本語訳も手掛けられたそう。
歌い手さんの稽古も担当されています。 

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舞台から客席を見るとこんな感じ。 

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なんか、嬉しくて、うろうろしまくりでした。
小栗さんとも記念撮影させていただちゃったしー。(ミーハー)
皆さん、お客さまに楽しんでもらおう♪の精神でサービス満点です。
お疲れさまでした。ありがとうございました。 

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こちらは大ホールと中ホールの間にある展示室。 

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演出家の飯塚励生さん。日本人ですが、ニューヨーク生まれ。
日本語も普通に喋ってはりましたが、危ういところもあるようで(英語の方が楽?)、
小栗さんに「通訳します」と言われたりしてました。
身振り手振りも交えてのお話は楽しかったです。
ちなみに、今回の演出のキーワードは"コメディア・デ・ラルデ"だそうです。

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えーっと、長くなってきましたが、ようやく本公演のお話です・・・ 

オーバーチュアが始まると、1人のプルチネッラが幕の間から登場。
物語の世界へと導く案内役のようなものを務めます。(案内役は最初だけですが)
その後すぐに幕が開くのですが、舞台には何の装置も一切なくて。
ただの板の間。

そこにひとつの小さな家を運んでくる。
その家からあれよ、あれよと言う間にたくさんのプルチネッラが出てきて、
他の大きな家やいろんな道具類を運んでくる。

かつての旅芸人が馬車でいろんなものを運んできたように。 
その間も演奏は続いているわけで、演奏中に大道具を運ぶ、
つまり雑音が出ることにはかなり気を使われたようです。

まあ、消せるものではないというか、特に最初の家は1人で引っ張ってくるから、
それなりに音はしていますが、音楽に合わせて、
旅芸人らしく芸も交えながら舞台を作っていく様子を見ているのは楽しい。

ちなみに、この時いてはる大勢のプルチネッラの中には大道具さん、
小道具さん達も混じっているそうです。

家はセビリャの家を模していますが、コンセプトはおもちゃのようで、
カラフルで可愛らしい。旅芸人さん達の陽気な姿ともとても合っていて、
舞台全体がおとぎの国の世界のようです。

そんな風に物語は始まります。

コメディということで日本語上演にされたんですが、
それもあって、笑いの部分はストレートに伝わってくるのがよかったと思います。
ドリフターズを目指していた(笑)ようですが、本当に楽しかった。 

最後はハッピーエンドで華やかに終わるのもいいですね。
みんなで幸せそうに歌うフィナーレ♪よかったです[ぴかぴか(新しい)] 

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さて、この夏のオペラですが、ダブルキャストが2チームに分かれて交代で演じます。
私は今回も両方観ることができました。どちらも素晴らしい。あとはそれぞれの好みですね。

私はロジーナ役は森麻季さんが好き。前からいいなと思っていたのもあって。
本来はメゾソプラノのロジーナ役ですが、森さんはソプラノ。違和感はなかったです。
見ため、とても線が細くて大丈夫かな?と心配になりそうな森さんですが、
最後までしっかりと歌ってました。歌声は好きなんですが、
今回はその表情や動きの豊かさ、特にコメディ役が予想外に似合っていて、
嬉しい発見でした。今後も楽しみです。

フィガロ役はどちらも楽しくて、とてもよかったです。
高田さんも大山さんも表情豊かで、台詞がなくても笑えるくらい。動きも多彩。
キャスト表では真ん中くらいに位置してますが、カテコではラストに登場します。
なんたって"セビリャの理髪師"、やはりフィガロの見せ場は多いですね。
大阪弁なども挟んでくれたりと、笑わせてくれました。

アルマヴィーヴァ伯爵役は鈴木准さんがよかった。
特に、バジリオの弟子を装って入り込むところの声や雰囲気がぴったりでした。
バジリオ役はジョン・ハオさんが好きだったし、後から思うと、
14日のチームの方が私の好みだったのかな?という気がします。
ただ、全体的には21日の方が芸文千秋楽なのもあって、よかったです。
おそらく、日々、回数を重ねるごとに皆さんよくなっているんでしょうね。

そういや、14日に佐渡さんが前説で
「よかったですね、一昨日と昨日は本日のための練習です」と冗談で仰っていましたが、
実際のところ、練習とまでは言いませんが、そういうところもあるかなと。
回を重ねるごとにキャストとオケの息も合ってくるでしょうから。

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千秋楽のカテコは大盛り上がりで客席からも拍手と大声援。
佐渡さんも思わず感激して涙ぐんでらしたご様子。

そして、スペシャル・カテコということで、
大道具さんと小道具(衣装?)さんのご結婚のお祝いがありました。
佐渡さんのリコーダーに合わせて、みんなで大合唱。

いやー、めでたいですね。おめでとうございます[ハートたち(複数ハート)]

この後、カンパニーは県内を巡る旅へ。
県内巡回は佐渡さんの長年のビジョンだったそうです。
無事に終わったようで、本当にお疲れさまでした。

また来年も頑張って参加します。楽しみにしてますね[ぴかぴか(新しい)]


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