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最後のボレロ☆シルヴィ・ギエム [舞台全般]

 ギエム最後のボレロ

観劇日: 12月1日(木)夜 C席2階センター、大阪フェスティバルホール
      12月2日(金)夜 S席2階最前列下手側サブセンター
出演  : シルヴィ・ギエム、マッシモ・ムッル、東京バレエ団

【プログラム】
 1日:★「テーマとヴァリエーション」東京バレエ団
    ★マリファント新作「Push Too」ギエム、ムッル
    ★「春の祭典」東京バレエ団
    ★「ボレロ」ギエム、東京バレエ団

 2日:★「スプリング・アンド・フォール」東京バレエ団
    ★「小さな死」ギエム、ムッル
    ★「シンフォニー・イン・D」東京バレエ団
    ★「ボレロ」ギエム、東京バレエ団

シルヴィ・ギエムに出会ったのは今からちょうど4年前。
2001年11月30日。神戸国際会館。
「シルヴィ・ギエム・オン・ステージ2001」

バレエ好きの友達に誘われて、観にいったのがきっかけです。
ダーリンも一緒に誘われていたのですが仕事でキャンセル。
その頃は二人とも(特にダーリンは)バレエに興味はなかったので、
まっ、いいかーだったと思います。でも、観終わった後、
興奮したまま(おそらく!)ギエムの素晴らしをこれでもか!!
と私に聞かされて、ダーリンもギエムに興味を覚えたようです。

そして、その2年後の2003年秋。
ダニエル・バレンボエムが率いるシカゴ交響楽団との「奇跡の響演」。
この時は、せっかく東京まで行くのだからと二日とも観ました。
生演奏ということでいろいろありましたが・・・でも、素晴らしかった。
(この時の話を始めると長くなるので今回はこれくらいで)

ダーリンにかなり期待させていたので、ちょっとドキドキでしたが、
でも、きっと気に入ると信じてた。ギエムにはそれだけの力がある。
そして、まさにそのとおりでした。

この日以来、ギエムは私達二人の大好きなダンサーになった。


ギエムはこの4年間の間に他の演目でも何度か来日していますが、
いろいろあって、なかなか観る機会には恵まれませんでした。
そんな時、友達から「ギエムがボレロを踊るのは最後だよ!」と聞いて、
どうしても観たくて、今回の公演を一年以上前から楽しみにしてました。

ギエムの感想を書く前に、まずは東京バレエ団。正直に言うと・・・
かなり苦手なのです。ごめんなさい~。こんな奴で。(^^;)

ちなみに、パレエは本当に初心者です。
専門用語も全くわからない素人の言うことと思って、
お許しくださいませ~。(汗)

その中でも「春の祭典」は好きじゃない。美しさを感じない。
ダーリン曰く「カエル踊り」。ほんま、そんな感じでして。(^^;)
こういう踊りは日本人には難しそう。

しかも、前回はシカゴ交響楽団だったから、生演奏が楽しめたけど、
今回はテープ。日本のパレエって、なぜテープなの!!(泣)
ワタクシ、寝そうでした。ごめんなさい~。でもでも、それが!です。
男性パートが終わり、女性達が出てきて、なんかヒトデみたいだな~、
と思いながら、うつらうつらしかかったその時!目が覚めました。

吉岡美佳さん♪素敵になられましたね~。(^^)
他の方達と体のキレが全然違う。一幕目に出ていた上野水香ちゃんも
よかったけど(彼女は回転が軽やか!)、私は吉岡さんが好き。
ひとつひとつの動きがきれいで、ピタッと決まる上に、タメがある。
私と同様、お隣のおじさまも、いきなりオペラグラスでじっと見入ってる。
一幕目は熟睡してはって、失礼なおっちゃんや!と思っていたのですが、
なんだか急に親しみがわいてきちゃう~。

たった一人で、こんなに舞台全体が引き締まるものなんですね。
それからは、ずっと彼女を見ていました。あっという間に終わっちゃった。
今日のシンフォニー・イン・Dにも出てはって、嬉しかったです。
2日めのスプリング・アンド・フォールにも、大勢の中にいても必ず目が追ってしまう、
男性の方がいらして、今回は東京バレエ団の印象がかなりUPしました。

さてさて、お目当てのギエム。今回は「ボレロ」以外に、
1日はマリファント新作の「Push」、2日は「小さな死」。
「小さな死」の音楽はW.A.モーツァルトのピアノ協奏曲なの~。
(↑ 思わず、こんなところに反応してしまうワタクシ・・・)
どちらも素晴らしかったです。

 「奇跡の響演」の時のサイン

1日はC席。かなり遠くて表情はほとんど見えないけど、
でも、センターは観やすい。バレエに詳しい友達に「ともかくセンター!」
と言われていたけど、バレエは本当にそうだと思う。
特にボレロは真っ直ぐ正面に向かって踊るから尚更です。

my楽となる2日は2階席最前列。とっても観やすい~。
少し下手に寄ったので、昨日のセンターもよかったな~(お値段もお手頃だしね)
なんてことも思いながら、今回はどちらもいい席だったわと一人で大満足。
ボレロはギエムがテーブルの上で踊るので、私は2階席で観るのが好きです。
ギエムが私の方をじっと見詰めて踊ってくれているかのような気分になる。
でも、きっと、どこで観ても、ギエムのオーラは伝わってくるはず。
それだけの気迫とパワーが真紅の炎のようにホール全体に広がる。
静かな、そして、気高い情熱が彼女から溢れてくる。

まずは「Push」。1日の二幕め。30分弱の踊り。
この日の一幕めは長いな~なんて感じてたものですが、
同じ時間のはずなのに、あっという間に終わってしまった。
お相手役のムッルはミラノ・スカラ座のプリンシパル!
ギエムと二人だけの踊りなのですが、ムッルもめっちゃ素敵でした。
艶っぽくて、とてもセクシー。舞台の下手奥の暗闇の中に
二人がたたずんでいるのを感じただけで、ぞくっとした。
その場の空気を一瞬で変えてしまうだけの力がこの二人にはある。
フェスの広い舞台がぴりっと引き締まって、二人だけの世界が広がる。
遠く離れた席なのに、急に舞台が近くなったようにさえ感じました。
最初から最後まで、軽やかで、無駄のないしなやかな動き。
二人とも(ムッルはかなり体格もいいのですが)体重を全く感じさせない。
永遠に続くかと思われる流れるような動き。もっと、見ていたかった。

2日は3幕構成(1日は4幕構成)で、「小さな死」は2幕前半の踊り。
10分もあったのかな?とっても短い、本当にあっと言う間もないくらいの、
でも、中身がぎゅぎゅっと凝縮された濃密な時間でした。
ギエムがモーツァルトの曲で踊ってくれるなんて、それだけでも嬉しい~、
なんて思うのは私だけでしょうが(^^;)、いや、これも本当に素晴らしかった。
ギエムの足の上げ方は溜息が出るくらい美しいのですが、しかも!
180度を更に超えてピタッと静止する姿にはいつもながら惚れ惚れしちゃう。
これもムッルと二人だけの踊り。二人とも真っ白な水着のような衣装。
私は男性がお肌を出し過ぎた衣装はあまり好きではないのですが、
そんなことも全く気にならない。ともかく、二人のしなやかで敏捷な動きに、
ただただ目を奪われたままでした。終わった時、えっ、もう終わり?!
と悲しかった。わーん、短過ぎるよぅ!!

昨日も今日も二人の踊りが胸に迫ってきて、目頭が熱くなっていました。
そして、ラストは両日とも「ボレロ」。

暗闇の中、ギエムの白い右手だけがピンスッポットに映し出された瞬間から、
私の心は奪われる。一本一本のそれぞれの指の先まで計算し尽くされた動き。
その手の動きに合わせて、周囲の空気までもが揺れ動く。
彼女が腕を上下に動かす時、その腕はまるで白鳥の羽のようだ。
足を上げる時もそう。細い手と足なのに空間の広がりを感じる。
単調なステップを踏みながら、ボレロの曲に合わせて、静かな淡々とした動きから、
少しずつ大きく激しい動きへと変わっていく。髪を書き上げる仕草が色っぽい。
  ギエムの「ボレロ」は全ての動きが身体にしみ込んでいて、流れるように自然に、
  そして、何度観ても同じ動きをするんだろうな(例えば、髪をかき上げる仕草まで)と思っていたというか、
  そこまで思わせるくらいの踊りだったのですが、でも、やはり生の舞台、日によって違うようですね~。
  他の方の感想を読ませて頂いたら、髪をかき上げない日もあったようです。大阪では二日とも、
  それぞれ2回はありました。あの仕草が好きなので、最後に見れてよかったです。(^^)

そして、よく写真にも写っているジャンプ。

 下の赤いのがテーブル、男性陣は床の上

これを左右連続で飛ぶのを続けて2回、更に3回めは一度飛んだ後、
次の動きに移る。あまりにも自然に軽やかに飛ぶんですよね~。

そして、最後は男性陣に取り囲まれて終わる・・・

何度観ても感動させられる。
モーツァルト!で泣くのとはまた違う感動なのだけど、
涙がこみあげてくる。昨日も今日も。

圧倒的な凄さ。
人間の体の美しさを頂点まで高めた動き。
いや、言葉にしようとしても駄目ですね・・・

今回で「ボレロ」は最後。
もう二度と観ることはできないけれど、他の作品はこれからも観ることができる。
今回のギエムの他の2作品を観て、終わってしまう寂しさよりも、
これからの期待の方が大きい私がいました。

全ての踊りを終えて、疲れているはずなのに、
何度も、何度も、数え切れないくらいのカーテンコールに応えてくれましたね。
それまでとは違って満面の笑み。とってもチャーミングな笑顔。
客席からの拍手とたくさんの声援に頷く時のあなたの顔がとても満足そうで、
私はまた涙が出てきましたよ。

シルヴィ・ギエム。

あなたに出会えて嬉しいです。
お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。
また会える日を楽しみにしています。

シルヴィ・ギエム


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kanon

天鳥船さん、nice!ありがとうございます~。(^^)
by kanon (2005-12-03 21:38) 

kanon

hanaさん、nice!ありがとうございます♪
by kanon (2005-12-04 00:49) 

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