いのうえ歌舞伎『蛮幽鬼』☆大阪：海の音、空の青、風の声・・・：SSブログ

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いのうえ歌舞伎『蛮幽鬼』☆大阪　[劇団☆新感線] [編集]

千秋楽も終わったのでさっさと書かなくちゃ～！と思いながら今日に
先月の観劇になります。久々の中島さん作、いのうえ歌舞伎。楽しかったです。

　
【観劇日】11月11日（水）夜　1階８列通路側、11月21日（土）夜　2階バルコニー席上手、
　　11月24日（火）夜　1階16列下手、梅田芸術劇場メインホール

【作】中島かずき　
【演出】いのうえひでのり
【cast】
　　上川隆也（伊達土門/飛頭蛮）／堺雅人（サジと名乗る男）
　　稲森いずみ（京兼美古都）、早乙女太一（刀衣／方白）
　　橋本じゅん（稀道活）、高田聖子（ペナン）、粟根まこと（音津空麿）
　　山内圭哉（稀浮名）、山本亨（遊日蔵人）、千葉哲也（京兼惜春）
　　
　　右近健一、逆木圭一郎、河野まさと、村木よし子、インディ高橋、山本カナコ、
　　礒野慎吾、中谷さとみ、保坂エマ、村木仁、川原正嗣、前田悟、ほか

正式名称は
"いのうえ歌舞伎"INOUEKABUKI SHOCHIKU-MIX『蛮幽鬼』
なんでしょうか。最近、どれもやたらと長いねえ。

松竹プロデュースなんだから、松竹座でやってほしかったなあ。
大阪は花道がないので、そこは残念でした。メインホールは大き過ぎるしね。
それでもチケットが完売なんだから、やはり人気だったんでしょう。

恨みが恨みを呼ぶ復讐劇。

これまでにもちらっと書いていますが、一幕はとてもおもしろい。
いのうえ歌舞伎の世界にぐいぐい引き込まれていくから、長さが全く気にならない。
上川さんの復讐に燃え上がる様子は本当に迫力ものです。

それに比べて、二幕はなんだかもどかしい。
観ながらあれこれ考えてしまって、一幕ほど集中できない。
ストーリーや演出そのものへのとまどいなのですが、
単純にそれだけではなく、一幕に比べて上川さんが物足りなかった。
私にとっては。

実際のところ、上川さんは本当に頑張ってると思うのよ。
熱演でした。でも、それだけじゃない、何か。それが感じられなかった。
始まりのシーンにもあるように、土門は身分は低いけど頭がよく、
志しも高く、友や恋人からの信頼も厚い人。そんな土門がただ復讐に燃える。
一幕はそれだけでも十分なんだけど、そのまま最後までというのは厳しい。
そういう点ではストーリーそのものが違っていればという思いもあるんだけど、
土門の揺れ動く様がもっともっと哀しいくらいに感じられたらよかったなと。
美古都やサジ、蔵人と対峙する場面では特に。
土門の苦しみや葛藤、、迷い、熱い思いがもっと溢れてきてほしかった。

ここまで書いていて今更だけど、2回めの21日夜の回はよかったのよ。
初回の印象があるから、二幕を観始めた時はかなり客観的になってたんだけど、
気が付けば細かいことを気にする暇もなく、蛮幽鬼の世界に引き込まれてた。
客席の反応もとてもよくてそれも大きかったのかもしれないけど、ともかくよかった。
思わず、翌日の当日券に並んだくらいですから。（駄目だったけど）

それだけに、残念なのよね。
このままよくなっていくと期待した後に観た3回めが初回と同じ印象だったから。
まあ、舞台は生ものだから仕方ないか。

今回はいのうえ歌舞伎の「歌舞伎」の部分が少なく
（大阪は花道がないから余計にそう感じるのかもしれませんが）、
そんな中で太一ちゃんの舞うような殺陣は素晴らしかった。
特に、彼の殺陣は2階から観た時の方がより素晴らしく感じました。
華麗という言葉がぴったり。
刀衣が死にゆくシーンは毎回ぐっときちゃうのよね。

毎回、期待を外さないのは、じゅんちゃんと山内さん。大爆笑。
コール&レスポンスは回を重ねるたびに盛り上ってたね。
さすが、じゅんちゃんです。客席の乗せ方が上手い。楽しかった！
山内さんと堺さんがじっと睨み合うシーンもお気に入りで。
いじいじしながら、あれこれしてくれる山内さんが楽しみでした。

堺さんは上手いですねえ。あの笑顔は凄かった。
舞台のどこにいても注目してしまう。
サジの役は堺さんでないとできないと思う。声も好き。
千葉さんの惜春も凄くよかった。
二幕では堺さんと千葉さんのシーンがとても好きです。

そして、稲森さん。期待してなかったんですが（ごめんなさい～）、
最初に観た時にとてもよくて嬉しい驚き。観るたびによくなってました。
凛とした立ち居振る舞いがとてもきれいだった。

次回の新感線は春。三十周年なんですね。
古田さん、久々の天海さんでのRX。楽しいといいなあ。
期待してますよ。